夕陽が庵の窓から優しく差し込み
古びた文机と趣味の茶器を包み込む。
細かな銀細工が施された茶器は
夕陽に照らされるたびに微かに輝いているようだった。
老僧は椅子にゆっくりと座り、
手にした急須を優しく撫でながら、茶葉を注いでいた。
まるで時が静かに止まったかのような気分になった。
一杯の煎茶がもたらす清らかな風を心にも感じる、「清風」の精神。
心を込めて淹れられたお茶は、喉だけでなく、心をも潤してくれるもの。
お茶とは、そういった精神的な世界と
人とをつなぐ役割を果たしてくれるのです。
道具は、鑑賞するだけでなく、
それらを手元に置き、愛でることで、
生活に彩を添え、人生を実りあるものにしてくれます。
そんな佳き茶道具と、おひとりおひとりとの必然的な出会いの橋渡し役、
私たちはそんな存在でありたいと、願っております。
寛山集美堂